我々家族はお盆休みに茉穂( マホ) の留学しているカナダ、バンクーバーの近郊へ行ってきました。せっかくのカナダ旅行ですので、カナディアンロッキーにも足を伸ばしました。大学生になって友達づきあいの忙しい有紗も茉穂に会いにいくということで久しぶりに家族揃っての旅行となりました。
1月に出発した茉穂は元気でいるか(太っていないか)? 、ホストファミリーはどんな人か?心配と好奇心でドキドキ、ワクワクしながら関西空港より出発しました。決まった期間(行きと帰りを含めて6日間)にバンクーバー、ロッキー、列車での移動、バスでの移動、飛行機での移動、車の利用と計画を詰め込みましたので、スケジュールがちょっとタイトかなというのが多少の懸念点ではありました。関空からの出発では、セキュリティチェックの厳しさに驚きました。「手荷物に液体のものは禁止されております」ということで、化粧水等をスーツケースに移し変えをすることになりました。8月初めのイギリスでのテロ未遂事件の影響です。全般にセキュリティチェックは厳しくなっており、飛行機に乗る時は時間の余裕をしっかり見ておくことが重要な心構えのようです。
ではバンクーバーに着いてから、家族それぞれの印象にのこった出来事を中心に旅行を振り返って見ます。
0.バンクーバー到着
昼前にバンクーバーに到着した我々は空港の出口で茉穂と再会しました。茉穂のホストファミリー (スタリンク夫妻) とその親戚が数人一緒でした。その一行にどういうわけか日本人が(3人も)いましたので少しばかり話をしました。聞いてみるとスタリンク奥さんの従兄弟家族だそうでスタリンク夫妻もたまたま彼らと空港で出会ってビックリという状況だったようです。ちょっとばかり人間関係を理解するのに混乱しましたが、まずは茉穂とホストファミリーと無事の対面が果たせました。
1. かわいいラクーン(有紗)
夕方にロッキー行きの列車を予約していましたので、それまでの間、スタリンク夫妻にバンクーバーの町を一回り案内してもらうことになりました。行った先がスタンレー公園です。スタンレー公園は、バンクーバーのダウンタウンの西端にあり、海に突き出した小さな半島にあります。大変広くて森が広がっており、多くの人が散策しているところです。人で込み合っているという感じではありませんでしたが、駐車場もいっぱいあり、夕方駅に向かう時には車で渋滞となっていました。都市内の公園としては北米最大規模だそうです。ここにはラクーンがおり、時々顔を見せます。人に寄ってくるわけでもないのですが、近づくまでは逃げもせず、人には慣れているようです。有紗が近くに行ってほんの鼻先で写真をとりました。ラクーンは気が荒いので直接触らないように言われましたが、いい写真がとれて有紗はご機嫌でした。
2. ロッキーの宿はおまかせ( 茉穂)
夕方、バンクーバーからロッキーまで一泊の大陸横断鉄道の旅です。カナダでは列車の旅行は一般的でなく、昼間駅にはほとんど人がおらず閑散としていました。夕方、出発前になるとさすがに待合室はいっぱいでした。音楽が演奏されており皆リラックスしています。改札が始まると、皆がぞろぞろと列車に移動しますが、乗り込み方が少々違っていました。ホームの端で改札をすますと「○○号車まで歩いていってください」と言われます。 100m(?)ぐらい列車に沿って歩いていくとやっと我々の乗る客車に着くという按配でした。列車の長さも長いのですが、それは一両あたりに乗る人数が少ないのです。向き合った4人がけの席を (食事の間に) 1人分のベッドとし、その上にもう一人のベッドを上から下ろしてくるようになっています。つまり、4人分の座席に2人が割り当てられていることになります。さらにシャワー室があり、もっと一人の占有面積の広い個室もありますから、日本の列車と比べると一両あたりの乗車人数が格段に少ないというわけです。
次の日の昼前、いよいよロッキー観光の一つの中心都市であるジャスパーに到着です。荷物を降ろしてそれを受け取るまで時間がかかります。カナダの列車の旅はそのスピードと同様全体にスローです。荷物を受け取る間に宿までどうやって行こうか、タクシーか、レンタカーか等と話をしていると、ジャスパーのことならまかしとけとばかり茉穂が「ジャスパーの町は小さいから歩いていけるで」といいます。さらに、ジャスパーインという宿の名前はどうもこの前泊まった宿の名前と同じみたいだといいます。実は、茉穂は1月に着てからこれまでの間に薫英高校から一度ジャスパーにつれてきてもらっているのですが、どうも私が日本から予約した宿と同じところに泊まったらしいのです。 茉穂の案内で家族がスーツケースをごろごろ押して宿に到着となりました。
こんな、遠くまできて茉穂が2度目だと案内してくれるなんて。なんと地球は狭いことか、また茉穂のなんと日常と変わらない様子であることか(感動のないことか)と恐れ入ったわけでした。
3. マーリン湖は神秘の湖( 悠加)
宿についてからは、いよいよロッキー観光です。ジャスパーの街は雄大なカナディアンロッキーの山々に囲まれています。石灰岩の灰色の地肌を露出した山が多いようです。バスツアーに参加しマーリン湖に向かいます。マーリン湖は氷河がとけた水がたまってできた氷河湖です。静かな青緑の神秘的な色をした湖面を遊覧船が進みます。ビューポイントのスピリッツアイランドまで1時間弱。そこで10分ぐらい上陸して写真をとります 。絵葉書でも定番の景色ですが、やはりその場所に来ていると神秘的な雰囲気を感じます。奥のほうにはコロンビア大氷原の一部が見えており、スケールの大きさも感じました。悠加の最も印象に残った場所はこの湖です。 悠加は昔は一番英語をしゃべっていたのに、今回の旅行ではほとんどしゃべりませんでした。やはり子供同士でしゃべらないと、大人との会話しかない旅行では子供が英語を使う経験にはならないということでしょう。
遊覧船に乗っていたのは全員外国人(カナダ人以外)でした。日本人もわれわれだけでした。他はほとんどヨーロッパ人のようでしたが、カナダ人は船に乗らないんでしょうかね?
4. 飛行機に乗るには時間の余裕をもって(真奈美)
ジャスパーで一泊した次の日は午前中ゆっくりした後、またバンクーバーへ戻りの旅です。ロッキーは国立公園のため飛行場がありません。鉄道も便があわず、ジャスパーからバンクーバーへのバスでは 12hもかかる上夜中に出発となります。結局、ジャスパーからエドモントン(バス-グレイハウンド )、エドモントン-バンクーバー(飛行機)が一番早いし楽ということがわかりました。しかし、一番近い飛行場といってもジャスパー-エドモントンはバスで4時間40分もかかるのです。やっとエドモントンへついて飛行機に乗ろうと思ったら、バスの着くところと飛行場はかなり離れていることに気がつきました。タクシーに飛び乗って、飛行場に着いたら出発30分前。「ちょっと危ないかな、まあしょうがない、次の便があるだろう―――」。と、カウンターにいったら、「今日の便の受付は終わりました」「次の便は?」「今日はこの便が最終です」「え―――― (*_*) 」
遅れることを予期していなかった私は、一度調べた別の日にもっと遅い便があることが頭にあって、大丈夫と思いこんでいたのでした。しようがないので、宿を取り直すことになってしまいました。空港に近い安い宿にしたので、家族は不満たらたら。バンクーバーに予約してある宿をキャンセルしたら、当日のキャンセルは全額いただきますとの宣告。ホストファミリーに電話して、明日はホテルの待ち合わせだったけど、空港にしてくれと連絡―――と散散なことになりました。スタリンクさんからは、 adventureだね - 、 hahaと笑われ、一人小さくなっていました。
真奈美様からは、「飛行機に乗るには時間の余裕をもって」とご注意をいただきました。
5. 穏やかで住みやすいバンクーバー(浩之)
そんな、こんながありましたが、次の日はホストファミリーに空港まで迎えにきてもらって、一緒に一日大変充実したバンクーバー観光を楽しみ、さらに夜には家族一同お宅に泊めていただきました。
バンクーバーの印象は大変気候が穏やかということです。着いた時の気温は18℃でしたし、少し内陸に入って日中の暑い時に30℃を超えていたようですが、湿度は高くないので日本 (特に大阪 )と比べると別天地です。夏は雨があまり降らない、台風もこない、と聞いたときはなんでこんなに恵まれているんだろうと思いました。冬は少し寒いのでしょうが、それでも雪が積もるのは年に2,3度ということだそうです。雨は多いそうですが。
私の中ではハワイとバンクーバーとどっちが快適だろうか、ひょっとしたらバンクーバーのほうが穏やかなのかなというような感じがします。それと、買い物ではグランビルアイランドの大きな市場が面白かった。野菜もたくさん、海産物もたくさん、スウィーツ、ビネガー等、カナダらしいものもたくさん。さらに、レストランからの景色は抜群でした。人間性もアメリカ人のようにアグレッシブ (攻撃的 ) でなく、穏やかだよとスタリンクさんは言ってました。ということで、また機会があればバンクーバーへいってみたいと思っています。
最後にもう一度、マホのホストファミリー、スタリンクさんご夫妻には大変お世話になりありがとうございました。
( 終わり)
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